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2019.11.01

きっかけ

今から約20年前、駆け出しのITエンジニアだった私は、ある顧客の全国的な新規プロジェクトに参加する機会を得ました。北海道から沖縄まで、全国20校の小中学校が参加するプロジェクトで、運営サイドはエンジニアから教育専門家まで、数十名のメンバーで構成されていました。

当時は「総合的な学習の時間」カリキュラムが始まる年度で、一年間、各学校が取り組む総合学習活動にICTツールを提供し、最終的な学習成果発表会をWeb会議システムで全国中継するというプロジェクトでした。

技術的にもマネジメント的にも数々の問題が発生したプロジェクトで、ある時は北海道の学校の支援のため、千歳空港のホテルに1週間缶詰状態で対応に追われました。

当時、経験値も浅く能力も伴わず意識だけが高かった私は、困難ばかりのプロジェクト状況に対して独りで悲観し、勝手に責任を感じて、眠れぬ日々を過ごしていました。

人間って、睡眠が足りないと非常に危険な状態になるんですよね。睡眠不足で死ぬことはないと思うんですけど、冷静な判断ができなくなるのでふとした瞬間に死にたくなったりするんです。私も当時は追い込まれていて、本当にヤバい状態でした。

まさに千歳空港で缶詰作業をしていた最中、かなり異常な状態の私を北海道の温泉に連れ出してくれたのが、同じくプロジェクトメンバーであった木村さんでした。二人で温泉に入りながら、色んな話をしました。私を気遣ってくれていることを泣きながら実感しました。真っ裸で…笑

お陰様で私はなんとか踏ん張ることができたのですが、プロジェクトとしてはマネタイズスキームが確立できず、経営判断で終了となってしまいました。

でも、学校現場からは各種ICTソリューションによって時間と場所を超えた教育ができたことに対して、多大なる感謝のお言葉を頂きました。手間ばかりかかるし、ビジネススキーム的にはイケてなかったかもしれませんが、こんなにも喜んでくれる人達がいるんだったら、できる範囲で続けてみない?って木村さんが声かけしてくれました。

賛同した当時のメンバーで試行錯誤しながらプロジェクトを事業化し、約20年が経ちます。当時の木村さんと今の私は同い年です。この20年で本活動でサポートしたのは全国で約600校、活動に協力して頂いた企業は1,000社以上になります。

自分は後進の役に立ってるかな?といつも考えます。今の自分があるのは、あの時のあの人との出会いがあったからだと思える人生って、最高だと思うんですよね。

インターネットに全く情報をあげない木村理事長が、我々の活動を支援してくれている企業様のCSRレポートに載ってたので、ちょっと嬉しくて投稿してしまいました。これからも暖かく見守って頂けましたら幸いです。